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身体障害者手帳が交付された

高校生の頃に「障がい者と言えない僕」という記事を書いたのですが、4年の月日を経て障害者手帳が交付されました。なぜ今更交付されたのかとか、交付されたときのお気持ちを書き連ねようと思います。ちなみに第一種身体障害者2級で、障害名は「脳性麻痺による両上肢機能障害」です。

申請のきっかけ

出生時に産婦人科の先生から軽度なので申請は不要という話があったらしく、自分は障害者手帳を申請できない程度に軽度だからこの中途半端な状態が一生続くんだろうなという気持ちでこれまで生きてきました。学校が通信制になったあたりからもう字を書くことはほとんどないだろうし、もう気にしなくていいやと思っていたのですが、ひとつだけ大きな問題に直面しました。それが IPA が実施している情報技術者試験です。

基本情報技術者試験(FE)を受ける際、ハンディキャップがあるから時間の延長等の配慮をしてくれないかと問い合わせたところ「手帳か医者からの診断書がないと難しい」と断られたことがありました(当時はギリギリ CBT ではなかった)。これに関しては当然の対応なわけですが、今後色々な試験を受験したいと考えていた自分にとってこれはひとつの壁(とくに応用以降は記述式で、かなり時間的な差が生じてしまう)になってしまいました。もちろん事前にスケジュールを定めて毎回担当医さんに診断書をお願いすれば良いわけですが、私自身サボり性分で試験を受けるたびにその手間が発生するのはとても嫌でしたし、金銭的にも毎回診断書を書いてもらうのは余計にお金がかかってしまいます。なんとかならないかな〜と母親と相談して、一度担当医さんにダメ元で相談してみるかという結論に落ち着きました。

我々親子としては出生時点で手帳の申請をしないという方針で動いていたため、今更どうにかなる話ではないと思っていたのですが、担当医さんへ相談した瞬間に「申請できますよ〜」と言ってもらえ、2人して驚いていたことを覚えています。その後は色々申請や再提出などで時間がかかりましたが、自分自身が何かをするのは役所へ行って書類を提出する程度でした。

申請に関する細かいことは専門のサイトや担当医さんの確認するのがベストだと思うので、ここでは詳細を割愛します。強いて言えば役所で書類を提出する際に記述する必要がありますが、事情を説明したら最低限の記述量で留めていただけました。もし書類の記述が嫌で役所に行くことが億劫になっておられる方がいらっしゃったら一度窓口に相談してみてください。

交付されたときのお気持ち

まさに記事を書いている今日に役所から郵便で手帳が交付されましたと連絡が来たため、午後一番で受け取りに行ってきました。

担当医さんに相談していたときは「5級か6級がギリギリ取れるぐらいだし、最近厳しいから取れないかも(7級より下は手帳が発行されない))」と伺っていたのでそのぐらいかなと思っていたのですが、手帳を見せてもらってびっくり2級でした。想定していた級よりも遥かに上だったことはもちろんですが、そもそも自分が身体障害で上から2番目に重度である等級が割り当てられたことに何より驚きました。そもそも自分は「障害者手帳がギリギリ取れないぐらいの症状」だと思って生きてきましたが、手帳を取得した瞬間に世間一般でいう「重度身体障害者」に分類されたわけですから、もはや驚きを通り越して混乱です。「人よりちょっと不自由」と「重度身体障害」では全然印象が違います。この表現の差に執筆時の今でさえ認識できないというか、自分ごととしてまだそこまで受け入れきれてません。

一方で自分の不自由さに対して国や自治体、会社などが割引等の配慮をしてくれると言う事実に対しては素直に嬉しさを感じました。

2級になった理由とその結果に対する気持ち

過去に私と出会った方であれば正直私が重度身体障害者と区分されることに違和感を覚えるかもしれません、あれで2級なのかと。個人的にもなんで自分が2級なのか分からなかったので色々調べてみました。

身体障害者障害程度等級表 の2級には以下の項目がありました。

  1. 両上肢の機能の著しい障害
  2. 両上肢のすべての指を欠くもの
  3. 一上肢を上腕の2分の1以上で欠くもの
  4. 一上肢の機能を全廃したもの

腕や指が欠損していたりまったく動かないわけではありませんので、これを見る限り私が当てはまりそうなものは唯一「1. 両上肢の機能の著しい障害」です。ここで京都府の障害程度等級表解説を確認すると上肢不自由(P.8)にて「『著しい障害』(3級)とは、握る、摘む、なでる(手、指先の機能)、物を持ち上げる、運ぶ、投げる、押す、ひっぱる(腕の機能)等の機能の著しい障害をいう。」とあるわけですがこれが私に当てはまるかと問われると正直当てはまると即答することは難しいです。強いて言えば手が震えるので摘むのは苦手かな〜(囲碁とかチェスをやるときはよく迷惑をかけた)ぐらいです。書いてて気が付きましたが一応当てはまってはいますね(自己解決)。引用元は3級とありますが、それは「一上肢の機能障害」なので両方の手(両上肢)にある場合はひとつ上がって2級となります(多分)。

余談ですがその下(P.12)にある紐結びテスト自体は行いましたが、結果は覚えてないです。5分間で33本以下しか結べなければ2級だそうですが、その程度だったかな……。そもそもこのテストで測れるであろう両上肢の障害程度が障害程度等級表に書かれていないので、ここらへんは医師依存な部分なのかもしれません(そもそも診断書系が全部医師依存なのは否めませんが)。

2級という結果に対するお気持ちですが、自分はそういう立ち位置だったんだなと驚くと共にこれまでよく手帳なしにやってきたな自分という気持ちでした。英検・漢検ともに何も配慮はなかったですし、中学受験の際も特別配慮はしてもらわなかった記憶があります(高校受験のときだけ用紙を大きくして頂きました)。その体験に関しては(たとえ2級がオーバーな判定だったとしても)自分の中で大切にしていこうと思います。